“日本でも次世代通信である5Gが普及しつつあります。世界中に5G時代が到来していますが、データ通信量が増加することで消費電力も増加することが懸念されています。今回は5Gにおける電力消費についてまとめてみましょう。
【5G時代には電力消費量が増加する?】
5G時代には通信量の増加とともに電力消費量も増加すると言われています。自動運転やスマートシティの実現は、利便性向上だけではなく、省エネや温室効果ガス排出量にも貢献します。この自動運転・スマートシティの実現には5G技術が欠かせません。
ただ5G通信技術が普及するとデータ処理量が増えます。そうなると電力消費も増えることになるのです。中国電信が深圳市で行った実証実験では、5G基地局の消費電力は、4Gの基地局の3~4倍であるという結果が出ました。
5Gでは同じエリアをカバーするために必要な基地局が4Gに比べて多いため、実際の消費電力はさらに大きくなることが予想されます。総務省が発表した「Beyond 5G推進戦略」では、省エネ対策が講じられないと仮定すると、2030年のIT関連の電力消費量は、2016年度の36倍も達すると言われているのです。
【無制限のデータ利用や頻繁な機種変更に警鐘を鳴らす国もある?!】
フランス政府の気候高等評議会(HCC)は、5Gが広く普及すると温室効果ガス排出量は、今後10年間で増える可能性が高いと警告しています。データ通信量の増加に伴う電力消費増だけではなく、5Gに対応したスマホ製造や通信インフラ、データセンターの建設によっても温室効果ガス排出量が増えると考えられているのです。
そのため気候高等評議会(HCC)では、無制限のデータ利用が可能なモバイル定額料金を禁止して、データ利用料に比例する従量制の料金設定を義務付けることなどを提言しています。また温室効果ガス排出量が多いスマホの製造・流通過程については、新規購入を控え、リサイクルや修理された製品の購入に対しては、提言税率を適用することなどを提言。
実際にフランス政府はiPhoneを製造しているApple社が、旧機種のiPhoneの性能を意図的に低下させたとされる事例で、Apple社に30億円の罰金を課しています。
【電力消費削減に向けた取り組みとは?】
携帯電話会社など通信事業者にとって、基地局の消費電力を削減することが重要な課題となります。ドコモでは1年間に約30億キロワット時の電力を消費していますが、その70%は基地局関連です。そこでドコモでは2030年までにトラフィックあたりの電力消費量を、2013年に比べて10倍効率化させる目標を掲げています。
その目標を達成するためにドコモでは、基地局の消費電力を抑える取り組みとして、ソーラーパネルと蓄電池を備えて、ソーラーパネルで発電した電力を、停電時や夜間に使用できる「グリーン基地局」を展開しています。
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